GOLBY v.s. R指定
ADRENALINE MC BATTLE 2014 決勝 GOLBY v.s. R指定 延長
今回はADRENALINE2014からこちらの一戦。決勝の延長戦、大会最後のバトルを紹介します。
この一戦はかなり特殊で、進行役の大華が「もっと見たい」というオーディエンスの意向を汲んで(?)彼が納得して終了の合図を出すまでバトルが続行するというルールのもと行われており、最終的に8小節8本という異例の長さとなりました。
時間にすると約4分半(笑) しかも延長です。一体この二人のスタミナはどうなっているのでしょう。
それではリリックを起こしていきます。長いので覚悟してください!
[GOLBY]
oh 思ってもない展開だな だがこれがHIPHOP
だけどこれに乗りこなせるそれかどうかが
俺らのボキャブラリー 必須道具
だからそうだぜit’s show time
俺らにネタなんて必要ないから
俺らはこうやってマイクで会話してんだろ
まるで梅田のサイファー
[R指定]
そう 思ったことのない展開だな
でもオマエは 俺は天才肌 見せつける
ここは玄界灘のように渦潮流れてるから
まだまだ やるぜ
俺は murder murder kill y’all お前の首切る yo
GOLBY お前よりもしっかりとビートに乗るし
躍るし 心躍るし
[GOLBY]
Yo 確かにお前は天才だわ
もう目つぶってるが限界だわ
だから分かってる オマエの天才肌
なんてさらさら興味ねえ
だけど回って打って嬉しいよ
このまま続くぜ何小節?
オマエのラップはさスゴく饒舌
冗舌じゃねえけど出す情熱
[R指定]
Yo 何回続く何小節?
でもこいつはおシャレなファッションセンス
でも俺は完走し我関せず
しっかりビートに乗り折る関節
yo 俺のどこが限界?
目開いてdaytime戦っていたい
お前よりもビートの乗りこなし方がうまいから
俺がwinner
[GOLBY]
おいおい下らん8小節より
ちゃんとまとめろよ8小節
俺はなんにも発狂せず
お前に決めてくファッションセンス
ファッションセンスならばおすぎとピーコ
こいつを八つ裂きGOLBYのミッション
もしくはそうだなドン小西
甘くはねえマイクロフォンの道
[R指定]
Yo ドン小西じゃないドン小西じゃない
今日は私のリリースパーティー
楽しんでって危険な二人
つまりリリー・フランキーとピエール瀧
凶悪のふたり
映画は見た?
さながら山田の兄ちゃん
ロン毛でひげ面でもカッコいいじゃん
[GOLBY]
リリー・フランキー
お前とバトルができて俺はマジでハッピー
絶対負けない即興なら
yeah 確かにお前はアイドル
だけど言葉が安くてお買い得
俺が指示したら目開けて
頑張ってるけどここまでねー
[R指定]
Yo 安くない言葉叩き売り
オマエはすぐに抜いちゃうな安達祐実
みたいなもんだよそれとも荒井由美
俺のユーミン リリカルセンスを見せる
Yo こういうライムしか
できねー奴がよくいるからぶっ殺す
そう俺の役目はヘボな種の絶滅
エボラ出血熱
[GOLBY]
エボラ出血熱 だけど
フェイク速攻でここで仕留める
食って来て切るぜまるでミルク
だけどオマエは今日ここで沈む
何本あんだな延長
途中で会話なんか入れてもいいかな
これはサイファーの延長線上
のようなバトルだろお前を洗浄
[R指定]
いやいやいや何回延長なっても
俺に対したらなんてことねえぜ
乗せるよ言葉をターンテーブルの上で
お前を切り裂く佐世保のJK
ヘッ さすがのスキルで魅せるぜMayJ
これが俺 平成
Adrenaline 今日は平成の優勝だ
[GOLBY]
優勝だ だけどこっからスルーオーバー
何回続くか分かんねえが
佐世保 俺にもラップさせろ
まだまだ続くのさオールバック
だけど生え際かなりヤバイね
ここは未体験 だから見たいぜ
オマエはもうちょいスキル磨いて
[R指定]
Yo yo スキル磨いてるから
この場でまたビートに乗ることが
できるオマエとは違うのさ
これが明確なスキルの差
あと2本あったってこの日本
盛り上げるのは俺らのマイク2本
わかってるだろこれは基本事項
しっかりビートの上で主張しろ
[GOLBY]
Yeah まぁ ゆっくり乗るぜ
マイク絡まったコード絡まった
だけどこの会場暖まったから
待ったなしの戦いが始まった
Yeah こういうフローでいいのかな
オマエは俺のティーチャー
だけど言わせる終わりにゃジーザス
オマエは沖縄帰ってろよシーサー
[R指定]
Ei yo 暖まった
つまりこのビートこの場所は暖かい
この勝負を待った甲斐があったかい?
と聞きたくなるような半端ない
アンダーライン引いとけよNo.9
じゃなく俺はNo.1だ
わからせるあと1本の延長
楽しくオマエが締めてくれよ come on
[GOLBY]
Yeah 間違いねぇぜ
No.1はオマエだ だけどそれが
一瞬でひっくり返るのがアンダーグラウンドだ
それがわかんだろアンタ
これがアンサー バトルの醍醐味
オマエは負けて ただの粗大ゴミ
あんまり そんないいだな俺らの印象
こんなバトルもいいっしょ?
[R指定]
Yo yo これが最後のバース
しっかり締めさせてもらいます
俺が優勝してごちそうさま
オマエはここのステージで落ちるから
この熱さはヤンキーマンガ
でも引き下がれん俺バウンティハンター
オマエの頭に言葉の重みを打ち続ける
パンチラインドランカー yeah
概要
8小節8本
ビート: Timbaland / The Way I Are feat. Keri Hilson, D.O.E., Sebastian
勝者: R指定
解説
ADRENALINE MC BATTLE 2014 決勝 GOLBY v.s. R指定 延長
今回はADRENALINE2014からこちらの一戦。とんでもない長丁場のバトルです。
すでに記事冒頭でも書きましたがその場の変則ルールにより「納得いくまで戦う」という非常に珍しい形のバトルとなりました。
結果的には8小節8本、通常の2倍のボリュームとなりましたが、これは延長戦なのでその前も含めると4本+8本で、実質8小節12本という稀に見るハードな決勝戦となりました。
それでもダレずに試合としてキッチリ成立しているのは、両者の圧倒的なスタミナと技量によるところが大きいのだと思います。日本のラップはこんな次元まで来てしまいました(笑)
この試合はバトル史に残る名勝負だと思います。
そこは決勝まで勝ち上がってきた両者、開始からすでにエンジンがかかったまま8×8をこなしていきますが、終始絶好調です。
4本目が終わる前にジャッジの大華から「続行」の合図が出るのですが、そんなアドリブをものともせずにスムーズにラップし続けていきます。本当にすごいです。実際にDVDで見て頂くとわかりますがとにかく上手いです。そしてどちらもとても楽しそうにラップをしているのが印象的です。
結果はR指定の優勝となりますが、正直バトルの勝敗なんか関係ないほど楽しいバトルになっていました。惜しくも敗れたGOLBYも相当なスキルとスタミナで、ただ引き出しが多いだけでなく、即興性の高さも持ち合わせていることが改めて再確認できました。
この試合はかなりの名勝負なので、まだ見ていない方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
※ 玄界灘
九州北西部の海域で有数の漁場として知られる。
※ おすぎとピーコ
双子の兄弟のテレビタレント。テレビ番組でファッションチェックのコーナーを持っていたのはこのうちピーコの方。
※ ドン小西
メディア出演等でも有名なファッションデザイナー
※ NAIKAに言われた リリー・フランキー
UMB2011本選 NAIKA MC v.s. GOLBY 戦にて。
[UMB2011] NAIKA MC v.s. GOLBY
※ 凶悪
2013年公開の日本映画
※ 山田の兄ちゃん
俳優の山田孝之。映画「凶悪」主演。
※ なんなら書こうか『東京タワー』
上述のNAIKA戦にてGOLBYに対する「よく見たらリリー・フランキー 『東京タワー』書いてろよ」のラインから。『東京タワー』とはタレント、リリー・フランキーの手になる小説のこと。
※ 荒井由美
歌手の松任谷由実。通称は「ユーミン」。
※ 佐世保のJK
時事ネタ。佐世保女子高生殺害事件
※ 平成バーサス昭和
本大会のコンセプト。個人戦のトーナメントでありながら1回戦各試合は昭和世代と平成生まれのMCたちがマッチングし、世代間の戦い、という構図ももっていた。