輪入道 v.s. JAG-ME
UMB2013 BEST8 千葉代表 輪入道 v.s. 福島代表 JAG-ME
今回はUMB2013からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
JAG-MEが爆発してます。この試合、個人的に本大会でも一、二を争うくらい好きなんです(笑)それではリリックをご覧ください。
[輪入道]
8×4選んだ 俺は喋りすぎだ
まるでワインデキャンタ
飲んだ後みたいに顔が赤え
あなたの方に見せて行くぜ
キツネみたいな顔付き
俺はつないでく金貸し
みたいな話など必要なし
[JAG-ME]
なんか速えんだ
なんか言葉が伝わんねえんだ
適当な言葉連打してるだけじゃ
どこぞのチンピラと変わんねえんだ
だからnot重要なメンバー
なんかコイツのラップは変だ
真っ赤な顔でガッチリカバー
[輪入道]
どこぞのチンピラみてえな奴が
マイク握ったら変わっちゃう
みんな同じようなこと繰り返す奴ら
ストリートの奴ら
でも俺もそれがカッケー
と思ったから来た待ってる
奴のため走り続け食らってる
お前の顔付き
お前の方が言ってることが適当に
[JAG-ME]
食らってる奴の眼の前で
さらにヤバいライムで上げるハードル
huh! どーなる?
こんな単調なラップ昭和のチンピラ
何回も言うけどこっちのほうが
金ピカになって金品奪う
そんな感じのスナイパー
この歓声 こっちがヤバいな
[輪入道]
確かにお前の方が
コイツの方が歓声でっけーな
だけど誰が昭和のチンピラ?
こちとら生まれも育ちも平成じゃ!
せいせいしたぜ
お前の前でこんなこと言えて
決めてぇことがいっぱいあるから
この場で決め手の一発食らわす
[JAG-ME]
言ってみてえなぁ
平成のチンピラ俺は昭和
こういうの確かにあった昔話みたいだな
リニューアルしたらどうだよ?輪入道
newなスタイルが見たい
奴らの鼓膜にしっかり期待
期待に応える某MC いつでも言ってるジャグ棒エムイー
[輪入道]
ジャグ棒エムイー いつも知ってる
それでみんな上がっちゃう別人
みたいな顔は一切せん
固体から気体から液体になれ
お前をリキッドルームでビッチャビッチャにしてやる
磨いたスキルで見せるぜ
千葉千葉から開いた目 で鍛えたぜ
[JAG-ME]
3日に1回 ビッチャビッチャ
じゃあしっかり足んない頭の中
1日1回出さなきゃもう止まれないし
もう止まる気なら無い
こんな適当なラップの前で
もっとヤバいもんで渦なら巻いて
どっから出てきた東北代表
今夜の東京の大砲
概要
8小節4本
ビート: Fabolous / Young’n (Holla Back)
勝者: JAG-ME
解説
UMB2013 BEST8 千葉代表 輪入道 v.s. 福島代表 JAG-ME
今回はUMB2013からこちらの一戦を取り上げたいと思います。
輪入道は2011以来、JAG-MEは2007,2010以来ということで、どちらも本選へは常連と言っていい、実力者同士の戦いとなりました。
両者とも完全にトップオブザヘッドでラップするタイプと言っていいかと思いますが、ビートを外すことなく相手の内容を拾ってアンサーしていく、というバースを積み重ねていきます。う〜ん、レベルが高い!
輪入道はもともとカウンタータイプというか、相手の内容に対して熱いバイブスを瞬間的に込めたメッセージを繰り出してオーディエンスをうならせる爆発力みたいなものが武器のMCだと思いますが、その点はこの試合でも「生まれも育ちも平成じゃ!」のラインなどによく表れています。
一方のJAG-MEですが、同じ即興性でもスムースなラップとムラの無さ、緩急をつけたフローの中で段階的に熱を増していくというある種技巧的な面が武器ではないかと思います。
そしてもちろんこの試合でもその点はいかんなく発揮されていて、対戦相手の輪入道とは好対照をなしていると言えます。
結果的には最後までクオリティを保ったまま相手の爆発を許さなかったJAG-MEの勝利。輪入道にしてみたら相手の土俵で戦ってしまった感は否めないでしょう。特に「ジャグ棒エムイー」のあたりでは一発で会場の空気を完全に持って行きました。
スキルの高いMC同士のバトルではほんの微妙な差で試合の流れが決まってしまうということがわかりますね。
結果は別にしても、この試合も観ていて、そして聴いていて非常に面白い一戦となっています。個人的に2013はベストバウトがたくさん詰まった当たり年だと思うのでまだ観ていないという方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
※ 狐火より DAZU-Oより福島の誰かに
狐火、DAZU-Oともに福島出身のMC
※ 点灯してんのはこれ赤
UMBでは先攻後攻でそれぞれ青/赤の照明が切り替わる
※ ジャグ棒エムイー
即興性の高いJAG-MEがここぞという時に出すルーティーン。
本大会ではこの場面が初となったため会場沸騰。