U-Road v.s. TK da 黒ぶち
戦極MC BATTLE 第6章 BEST16 U-Road v.s. TK da 黒ぶち
今回は戦極第6章からこちらの一戦。U-Road対TKのバトルを取り上げたいと思います。
[U-Road]
Yeah 去年やったなこの場
俺が rapでリベンジ果たしてぇ だけだ
この場で負けた TKのrap game
この場でやるぜ この街でもサララ
逆に明らかになっちまうから
スキル磨いてやってきたから
見せるオリジナル 絡みつくような
こんな感じでやってく
この場でやってく またビート上またも舞ってく
[TK da 黒ぶち]
何も変わってねぇなオマエ
俺が言いたいことがある
そうなんだよ
負けたら俺は得るもんがたくさんあった
オマエは何も変わってない
ちゃんと見出だせたか光?
怒り スキル磨くだけじゃまだ何かが足りない
Yeah 俺のmicrophoneは思ったヘビーがある
それはこの間言ったはずだ
なんも成長してねぇな
スキルだけうまくなってそれ以外なんか足んねぇ?
そんなヤツはここじゃ終わるぜ?
俺が先に行くってことだけは
わかってるぜ 明らか
[U-Road]
Yeah 俺が終わる?
オマエの連勝記録はここらで止まるぜ
俺がかますぜ やってく2013
オリジナルスタイル見せつける
Yeah こんな感じでまたも段々
成長過程 けっこうヤベーもん見せつけたいだけ
Yeah 見せるぜこの場 microphone
俺も左手 握りだして今日もメッセージを飛ばして
こんな感じでやってくぜ オリジナルなスタイルで
[TK da 黒ぶち]
飛ばしたメッセージ ちゃんと受け取ったぜ
オマエのやり方はわかるよ
Yo だけど俺はさ
人である限り 感情がある限り
やはりその感情をmicrophone通して伝えたい
それが俺のスタイルだ
ちゃんと聞いてくれ観衆
Yeah そんな感じなのさ
俺の温度感じてくれてるならばありがたい
オマエはホント津田沼
ヤバい精神があると思ってる
オマエの背中見て育ってるヤツもいるはずだ
だからこそスキルに傾かず思ってることを吐き出せよ
[U-Road]
Yeah やってくぜ俺だって津田沼サイファー
ちゃんと来てくれてる若い男たちに
ちゃんと伝えたいものがあるこの熱い心
Yeah ハードやってくぜ津田沼サイファー
ちゃんとやってくぜ振らつかないさ
この明日もやってくいつもの通り
またもうな 早口言葉しながらやるだけだろ
こんな感じでやってくぜいつものように
Yeah yeah yeah
まずは やってくぜ TKさん
熱いハート 結構だぜ
ヤバいバトルにしましょうね
[TK da 黒ぶち]
1バース目 2バース目 3バース目
オマエのrapがスゴいとこに立ってることは間違いないぜ
でも俺もレベルアップ しちまってるぜ
オマエがヤバいラインを吐いたら
まず盛り上がってたのが後ろにいる津田沼の軍団
それだけはぜってー忘れんな
だけどmicrophone is danger
ぜってーオマエには負けねぇっていう
精神があるから大丈夫だ
未だ yo スキルを求めてない俺は
言葉と熱いものを何か吐き出すためにここに来た
人だから感情がある 最後にもう一度言うぜ
概要
8小節3本
ビート: Lil Wayne / 6 Foot 7 Foot feat. Cory Gunz
勝者: TK da 黒ぶち
解説
戦極MC BATTLE 第6章 BEST16 U-Road v.s. TK da 黒ぶち
今回は戦極第6章からこちらです。
戦極第3章でも戦っている両名ですが、当時はTKがMCバトル史上に残る完璧なアンサーを見せて圧勝。今でも語り草な伝説のバトルになっています。(動画の7分22秒あたりから)
今回はそのリベンジ・マッチという位置づけで見てる方も多かったと思います。U-Roadの独特なフローがTKにどこまで通用するかなど、色々な見どころのあるバトルになりました。
ちなみにこのバトルも公式に動画が上がっています。DVDをお持ちでない方は是非バトルの動画をご覧頂きながらお読み下さい。
試合始まってまずは先攻1バース目、U-Roadはやはりというか、去年のバトルを引き合いに出しつつTKへのリベンジにかける意気込みを吐き出していきます。
それにしてもこのU-ROADの倍速で言葉を詰め込んでいくフローはすごいです。ところどころ微妙に聞き取れない部分もありますがその点についてはどうかご容赦ください。
そんなU-roadに呼応してか、TKの方も倍のリズムで取りつつ言葉を詰め込んでいくスタイルで応戦していきます。
さらに注目すべきはバイブスとメッセージで、「スキル磨くだけじゃまだ何かが足りない」の辺りなど、言葉数を多くしつつも、それでも聞かせるところはしっかり聞かせにかかっている点はさすがという感じです。
ただ流れていくだけのフローではなく、織り交ぜた緩急がちゃんとオーディエンスにも伝わっているところがTKの強さの一端ではないかと思います。
続くU-road2バース目。TKが本気なのを察知してかこちらも全力ですね。
とくに「成長過程」「けっこうヤベーもん見せつけたいだけ」の辺りなどはビートの勢いを殺さずに本当に乗りこなしながら自分のフローを全面に出していて即興によるスキルフルなRapを出している感じが伝わってきます。
対するTK。倍速フローは維持しつつも徐々にバイブスやメッセージ性にシフトしていく様が見て取れます。
特に中盤の「ちゃんと聞いてくれ観衆」の辺りなどはそれまでのスムースなフローを断ち切るかのような声の張り上げ方で、この辺りから温度感が明らさまに変わっていきます。
また、最後の「スキルに傾かず思ってることを吐き出せよ」という部分など、ここぞというラインをしっかりと聴かせることができるのは彼のスキルだと思います。
そしてU-Roadの3バース目、地元津田沼の話題を引き合いに出されたことで内容の方もさらにヒートアップしていきます。
とはいえその中でも、「津田沼サイファー」「振らつかないさ」などの引き出しを開けつつの展開になっていて、冷静に言葉を置きつつのメッセージ性という点は非常にU-Roadらしい試合運びでは無いかと思います。
また、後半の4小節で一呼吸置いた後、最後の「ヤバいバトルにしましょうね」につながる部分などは、ビートも外さずかなりヤバいフローになっていると思います。
続く最後のTK3バース目。「1バース目 2バース目 3バース目」と小気味のいい言葉を選びつつ、早口ながらちゃんと要所要所で語気を強めてスピットしていて、「聴かせるrap」になっているところがすごいですね。明らかに勝ちに行くスタイルでrapを展開しているのがわかります。
「熱い言葉を吐きに来た」とい宣言通りにバイブスをこれでもかというほど詰め込んで最後のバースを終えます。メッセージ性とテクニカルなフロー、どちらに寄せるでもなく程よいバランスの熱いrapになっていると思います。
そしてそんな流れでバトルは終了。結果は熱量で一枚上回ったTK da 黒ぶちの勝利となります。
しかし敗れたU-roadの方もとてつもなくスキルの高いパフォーマンスを見せていて、お客さんの反応からもその点は評価されていたことが伺えますね。
※ 去年やったなこの場
戦極MC BATTLE 第3章 U-Road v.s. TK da 黒ぶち。
※ 去年の年末然り
UMB2012 本戦。TKはBEST8でNAIKA MCに敗れている。
[UMB2012] NAIKA MC v.s. TK da 黒ぶち