蛇 v.s. KBD
戦極MC BATTLE 第13章 BEST64(番外) 蛇 v.s. KBD の一戦です。
今回は戦極の13章からこちらです。
この試合は経緯がやや特殊で、当日大遅刻のせいで一回戦に間に合わなかった蛇、2回戦進出を決めていたKBDが了承したことにより予定にはない試合をすることになったという非常に珍しい展開です。
[蛇]
Yeah yeah 俺が滋賀から来た
KBD殺しに来た yeah
えーおーえーおーえーおー
俺が滋賀から来た
KBD殺しに来た
[KBD]
蛇を待ったヤツはget up put your hands up
せっかく待ってたのにテメー
えーとかおーしか言えてねぇじゃーか
あぁ? オマエ せっかくこんだけの大舞台
パイプラインつなげたら 来いよ遅刻せず
今からオマエに見せる地獄絵図
[蛇]
遅れてゴメン ヤバくてゴメン
梅田のKBD殺しに来たぜ
Ah huh わかってるだろ?
切れててゴメン マジで フローが
KBDのフロー知らねぇけど
俺の方が有能 無能
You know my steelo
[KBD]
俺のウンコが撃ち抜くオマエのこめかみ
Rapそれなり まったくいいとこ出ていないぜ
名前が蛇 確かにその名前の通り
俺の前に手も足も出ない
わかりますか? ヘボガエル
手の施しよう無し
コイツ ゲロでもこぼしそう
概要
8小節2本
ビート: トレンチコートマフィア feat.R指定 / DJ松永
勝者: KBD
解説
戦極MC BATTLE 第13章 BEST64(番外) 蛇 v.s. KBD の一戦です。
今回は戦極の13章からこちらの一戦。大会的にも正規の試合ではなく、番外という感じの位置付けの試合となります。
何よりも試合を承諾して尚、連戦をものともしないKBDの男気や度量、スタミナには脱帽です。
大遅刻の末試合には間に合わずかなり遅れてやってきた蛇の1バース目、KBDに指摘されている通り、本当にアーとかオーしか言ってません(笑)
ここまでは「何しに来たんだ蛇」という感じで、小節どころか1バース丸ごと無駄遣いしてるんじゃないかと思えるほど。
大遅刻した挙句この有様なのでもちろんオーディエンスの反応も今ひとつ。かなり印象を悪くしてしまったんではないかと思います。
一方のKBD。せっかくこんな大舞台なのに遅刻な上大したこと言ってない、と至極真っ当な指摘をグサリ。
「今か 今か〜」のジャスワナ引用もいい感じだと思います。「来いよ遅刻せず」から「地獄絵図」のラインで着地し、素直な文脈にしっかりとライミングも乗せています。この辺りはKBD本領発揮といった感じですね。
しかしこの蛇、2バース目から豹変していきなり化けます。「切れててゴメン 斬り捨て御免」はもちろん人間発電所の引用。
そこからさらに「遅れてゴメン ヤバくてゴメン」と、フローも生まれつつ小気味のいい、それでいて文脈的にも遅刻への謝罪とセルフボースティングを両立させる一切無駄のない非常にキレイなラインで入っていきます。
そして続けて「蛇さん真の死の詩の職人」とこちらも人間発電所からのライン。2バース目はそれまでがウソのようにとてもスムーズでいい感じす。
対するKBD2バース目ですが、相手が察知してか、出だしの「粋なゴリラのお出まし」でこちらも人間発電所に乗っかっていきます。
これは引き出しか完全即興か判断の微妙なところですが、いずれにせよこうした瞬発力もKBDの強みの一つでしょう。相手の土俵に乗っかってなおそれを凌駕しようとしていく感じです。
そしてバース中盤、「名前が蛇 確かにその名前の通り」「俺の前に手も足も出ない」のところでにわかに試合の空気が再びKBDに流れていったように感じました。
以前にR-指定もどこかで言及していましたが、やはり関西のMCはこういったユーモアやウィットに富んだ表現を自然にバースに組み入れて来ますね。ベテランKBD、この辺りは本当にさすがという感じです。
結局そのまま試合が終わり、KBDの勝利となります。本来しなくていいバトルな上、前の試合から連戦というコンディションの中、それでも最後はKBDが危なげなく勝利した、という印象です。
また、蛇は1バース目こそアレでしたが、その後は非常に質の高いパフォーマンスをしていたんではないかと思います。これも8×4であれば結果わからなかったかもしれませんね。
※ 今か 今か と待ちわびたヤツ
JUSWANNA / BLACK BOX からhookの引用。
※ 切れててゴメン 斬り捨て御免
BUDDHA BRAND / 人間発電所からdev largeバースの引用。
※ 蛇さん真の死の詩の職人
同上。
※ 粋なゴリラのお出まし
同上。