[MCニガリ]
クソみてぇな田舎もんだぜ
でもマイク握ってりゃチャンスつかめる
だからマイクにがっつくだけ
今日は起こしてやる大番狂わせ yo
オマエはlive良かったけれど
フリースタイルバトル俺のが上じゃねぇの?
頂きに来た戦極MC
俺がMCニガリだぜ check it out
[ふぁんく]
確かに巧けりゃチャンスつかめる
だが一言言える ふぁんくはデブ
こちとらそう 見ろ半袖よ
Yo ワキ汗散らすぜ何度でも ah huh
Ei yo そうオマエはちゃんと寝ろ
目が細いな切れ目か? キレイ目で
吹っかけて来いや さぁファッションチェック
してやるぜ こんな感じ8小節
[MCニガリ]
ファッションチェック下らねぇな
Rapのスキルでちゃんとやって来いよ
オマエが出来んのはファッションチェック程度
オマエはすでにもう 俺がチェックメイト
してやるんだよ このスキルわかるか?
細目じゃねぇんだ この眼光
Ah しっかり見とけよ オマエは格好
じゃなくて中身の話が聞きてぇ
[ふぁんく]
ニガリの巧さに 俺も脱帽
オマエのケツ穴が俺のダーツボール
わかるかな yeah これ乗れ 行動
論より証拠 href=”#punchline-2″>麻原彰晃
性懲りもなく 理屈並べて
オマエはペッタンコロリしとけって
Hey yo 俺が勝ち
ここで終わる 決定
わかったかな? またバースを蹴って
[MCニガリ]
OK ケツ穴しっかり受け止め
屁をこいて オマエの顔面に突き刺す
それがわかるか?
俺が入れてくクロスカウンター
わかるかよ なーみー?
Hey yo そんな感じ
俺なら波 を乗っちまった 止まらねぇんだから
楽しすぎるな ふぁんくさん
しっかりと返して来い ah ah
[ふぁんく]
OK なーみー? なーみー?
見た目はネット難民
だからマン喫で寝泊まり してそう
俺に微笑むマリア像 uh ありがとう
ネタなrapはしてねぇな アリが蝶
Hey yo 超 イケてるフローが
お客さんの脳 の中でフローgrooveしてるぜ
概要
8小節3本
勝者: MCニガリ
解説
戦極MC BATTLE 第8章 MCニガリ v.s. ふぁんく
今回は戦極8章からこちらの一戦を取り上げます。これもふぁんくがはっちゃけていて非常に好きな試合です。
対戦相手のニガリはこの日、非常にノっていて、そのまま優勝してもおかしくないほど勢いがありました。一方のふぁんくはサイファーで磨かれたスキルを見せに見せつけていて、オーディエンスを沸かせています。
彼のスタイルはUMBや罵倒より戦極のようなややエンターテインメント色が強い大会の方が活きる感じですね。非常に素晴らしいパフォーマンスをしていると思います。
ちなみにふぁんくはこの時期まだ長髪ではなく、今と比べるとかなり若く見えます(笑)
さて、試合の方ですが、まずは先攻ニガリの1バース目、「マイク握ってりゃチャンスつかめる」と最初から気合全開という感じでとてもニガリらしい内容のrapです。
ライミングもしっかりとハマっている他、フローに勢いや適度な緩急もあって、まさに強い時のニガリそのものといった感じです。
対する後攻のふぁんく。こちらも変わらずスキルの高いライミングですが、どちらかというと彼のカラーであるユーモアが全開で、内容的には正攻法のニガリとは正反対のアプローチと言えるでしょう。
特に冒頭、「確かに巧けりゃチャンスつかめる」と、ニガリのバースを受けたアンサーからいきなり「だが一言言える ふぁんくはデブ」と早速ユーモアに走ってます。
そしてそこから「ワキ汗散らすぜ何度でも」の部分までデブ自虐ネタで一息に疾走していくのですが、押韻もハードな上にビートも丁寧にキープしていて、とんでもないスキルでこれをこなしているわけです(笑)
全力でぶつかっているニガリとの対比からある種の余裕さえ感じられる展開となっていきます。
続くニガリの2バース目ですが、ふぁんくの「ファッションチェック」を拾って「オマエが出来んのはファッションチェック程度」「オマエはすでにもう 俺がチェックメイト」とこちらもブレずに強めのアンサーを決めていってます。
ふぁんくがノってくると彼の独壇場めいた雰囲気になるのですが、ここまではニガリもよく食い下がっていると思います。
続いて後攻ふぁんくの2バース目。「オマエのケツ穴が俺のダーツボール」など、引き続き言葉の選び方がギャグ入ってます。
以前にも書いた気がしますが、ふぁんくはビートへのハメ方やライミングの際のフローが圧倒的に巧く、たとえば「論より証拠 麻原彰晃」のように文字に起こしてみると陳腐なラインでも全然それを感じさせず、むしろ凄まじくカッコいいrapに聞こえてしまうところがスゴいです。
そして先攻ニガリの3バース目。これまで内容面では好対照をなしていた二人ですが、途中から徐々にペースがかみ合い始め、ついにニガリがふぁんくのコンテクストに合わせる形で試合の流れが形成されていったように感じます。
そうすると「俺なら波を乗っちまった」とのラインがふぁんくのペースについつい乗ってしまった、という意味にも聞こえてきますね。
ラスト後攻のふぁんく。「見た目はネット難民」「だからマン喫で寝泊まり」など、言葉選びから内容からもう最高過ぎます。
特に「微笑むマリア像」なんてサイファーで常日頃やってないと咄嗟には出てこないボキャブラリーではないでしょうか。このバトルのふぁんくはどのバースも非常に面白いrapをしてたと思います。ヤバいです。
そして勝敗ですが、双方とも終始自分のやりたいようにrapしていましたが、判定としてはニガリの勝利となりました。
技巧を競い合う中でも、しっかりと内容を伴って相手へアンサーを返していた点が勝敗を分けたポイントではなかったかと思います。これが関西だったらおそらく勝者はふぁんくだったと思います。
それにしてもふぁんくのスキルは完全に頭一つ抜けてるように思います。勝負強さだとかプロップスだとかではなく、卓越したビートキープの能力とライミングセンスがそのまま強さに転化されている感じでしょうか。
相手やビートなど状況を選ばずに高いパフォーマンスで常に自分のrapを出せている数少ないMCの一人という印象です。個人的には本当に最強のMCはこの人なんじゃないかと思ってます。
※ ダーツボール
※ 麻原彰晃
宗教団体、オウム真理教の元代表。死刑囚。
※ なーみー?
「you know what I’ mean?」の意。
※ また会いましょう まるでSEAMO
SEAMO / マタアイマショウ