DOTAMA v.s. CHICO CARLITO
UMB2015 FINAL 東京代表 DOTAMA v.s. REVENGE代表 CHICO CARLITO
今回はUMB2015からこちらの一戦。ついにFINAL、決勝戦です。
「お黙り」から数えて挑戦12年目で悲願の初優勝を目指すDOTAMAと、本選初出場にして初優勝を狙うCHICO CARLITOとの一戦です。
それでは試合の模様をご覧くだささい。
[DOTAMA]
Yo 決勝 ついにここまで来れた
俺はマジで 先攻 ずっと自分の道は全く悔いはない
君のライム チコちゃん 無理がないの分かってるが
さっきからノドが辛そう yeah
龍角散 など要らねぇ 俺は無限大のスタミナ
Yeah お客さん疑いは無い
[CHICO CARLITO]
どうした? 落ち着いてくれよDOTAMAさん
CDデビュー BPM 合わせるDTM DOTAMA
俺はブチ抜く 俺のノドが辛そうより
自分のこと心配しな 俺の爆発力なめんな
一発で撃ち抜く これがスナイパーだ
[DOTAMA]
スナイパーじゃねえな 格闘家 ファイターだろ?
自分の姿を カガミ でよく見なさい
そうだぜ 俺にはないぜ諍い
違う スタイルなら完璧
違うな TENGGくん に愛され
[CHICO CARLITO]
なんだよそのバトル もっと来いよ!
そんな話しに来てるんじゃねえだろ
なんのためのバトルなんださっきの オイ!
俺が周りに愛されてる あんたもそうだろ
俺は深い愛に包まれて生まれた
[DOTAMA]
違うな愛されてねぇ
10年前 味方誰もいないで
栃木から東京 歩きながらやってきた
そしてgetした東京のチャンプの座
栃木も獲った 君は出来てないことだ
よく理解しな yeah 地元も獲った俺
ここでぶちまけてやるぜ 怒りは最高
[CHICO CARLITO]
DOTAMAさん アンタ愛されてるっすよ
皆がこうやって言うんだよ 「DOTAMA頑張れ」って
それ無視したらダメだろ
嘘つかないから 俺はホントに
だから今一度冷静になって 嘘偽りない言葉を吐けよ
[DOTAMA]
愛されてなかった昔の話をしてんだよ
今巻き込んでんだろ? そうやって俺言ったこと
オマエが「あ゛〜!」て 興奮してるのキミの方
Be cool したほうがいいぜ
俺は 真を打つ MCだぜ 東京代表 頂上決戦
優勝するのは東京が前提
[CHICO CARLITO]
当たり前だろ そりゃ俺も興奮するよ
初出場で 初優勝だぜ?
見えてきたぜ頂
越えてく 俺のこの声 この体
唯一無二 沖縄那覇
チコカリ in da building
概要
8小節4本
ビート: KING GIDDRA / 大掃除
勝者: CHICO CARLITO
解説
UMB2015 FINAL 東京代表 DOTAMA v.s. REVENGE代表 CHICO CARLITO
UMB2015 GRANDCHANPIONSHIPもついに決勝です。
「お黙りRAP道場」から数えて足掛け12年、誰よりもUMBに挑み続ける男、DOTAMA。
対するは今一番勢いのある本選初の若手MC CHICO CARLITO。どちらが勝っても初優勝となります。
DOTAMAが選択したビートは「大掃除」。やはり決勝はクラシックに手が伸びますね。
試合の中身ですが、チコは完全にバイブス勝負で来てるのがわかります。というよりもDOTAMAに対して物足りなさから、主張が先行しているという感じでしょうか。確かにこの試合のDOTAMAの方は普段に比べ、明らかに毒性や発言の鋭さが足りなかったように思います。
アンサーが微妙にちぐはぐなDOTAMAに対し、CHICO CARLITOの2バース目、「なんだよそのバトル」からの続くラインで試合の潮目が変わってしまったという印象です。以降はCHICOが完全に試合の主導権を握っていきます。
例えば「味方誰もいないで」とDOTAMAが切り出せば「アンタ愛されてるっすよ」と切り返し、また4バース目に「興奮してるのキミの方」と指摘すれば「そりゃ俺も興奮するよ 初出場で初優勝だぜ?」と返される始末で、DOTAMAの吐く言葉吐く言葉が上手いことチコの燃料として利用されてしまってる感じです。
相手の言葉を使っていい具合に勢いを作り出したチコカリートの実力と言えばそうなのですが、やはりそのまま押し切られて見せ場を作れなかったDOTAMAの不完全燃焼感も否めないでしょう。
本人も試合後のインタビューで「攻めることそのものがあまり出来ていなかった」と語っていた通り、そのまま一方的な試合展開となり、主導権を掴めないまま試合は経過していきます。
結局バトルはしっかりと相手のバースに対してスピットし続けたCHICO CARLITOの勝利となりました。
ということでCHICO CARLITO、本選初出場でUMB初優勝です。おめでとうございます。
REVENGE代表のチャンプとしては晋平太以来ですが、東京・大阪以外の地方勢が優勝するのは、実にUMB2007のGOCCI以来ではないでしょうか。
R-指定の次の代を担うニューヒーローの誕生ですね。今後の活躍が楽しみです。
一方、不完全燃焼のまま敗北したDOTAMAは判定が決した後、早々と退場します。
その時の哀愁ったら本当にもうなかったです。高校サッカーの「涙のロッカールーム」に近いものがあります。DOTAMAを応援していた私としては、もう見ているだけで辛かった場面でした(泣)
優勝したチコカリートには少々悪いですが、この大会全体をひとつのドラマとしてみた場合、このDOTAMAの退場シーンが一番のハイライトだったようにも思えてきます。
そういった流れも含めて、今大会も波乱や多くの熱戦みどころも多く、非常に面白い大会であることは間違いありません。
GILや早雲、NAIKA MCといった本選の常連から、JAKEやU-Road、TENGGにCHILL-Bなどのルーキーまで、世代や出身を問わず、これだけのMCたちが一同に会して競い合われた素晴らしいバトルの数々。今回も心の底から楽しめたので私としては非常に満足した大会となりました。
※ 龍角散
有名な市販ノド薬
※ TENGG
同大会出場MC。レップ草加であり、同大会の埼玉代表。
※ 崇勲
埼玉、春日部のラッパー
※ TKくん
TK da 黒ぶち。埼玉春日部出身のラッパー。
※ 三ツ星オリオンの星の下にな
CHICO CARLITOは沖縄レペゼンであることから。
※ 栃木も獲った
DOTAMAは栃木レペゼンであり、前年2014年大会では地元の予選で優勝し、栃木代表として本選へ出場した。
※ in da building
スラングの一種。≒ in da house。